戦国新報
 
 
平成13年 前期
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へそくり
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 よく「へそくり」をためてる話を周りから聞くことがありますが、「へそくり」って自分のために使うのか、それとも奥さんであれば亭主のために使うのか、子供のために使うのか、家族の祝い事に使い、喜ばれるのか…?「へそくり」というお金は「へそくり」だから大したことではないようで、大したことのような気がするし、使い方によっては大変価値のあるお金であるような気がする。
 戦国の世、土佐二十四万石の大名にまで出世する山内一豊が、まだ信長の家来で「ペーペー」であった頃の話である。当時、信長の「馬好き」は有名であった。その信長がある時「馬ぞろえ」を催した際に、他の家来達はそれなりの馬を出したが、一豊の妻は「へそくり」をはたいて夫に名馬を買ってもたせ、信長に認められるようになった。一豊の妻は「へそくり」をためて夫にチャンスがきた時、なんとかして出世させたいという「内助の功」を惜しまなかったのである。その心掛けが土佐二十四万石の大名になるきっかけになったようである。
 不況の世の中、景気が悪いとなかなか「へそくり」もたまらない。早く景気がよくなってもらいたいものだが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】