戦国新報
 
 
平成14年 後期
【 H14.10.13
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感 情
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 いろんな情報を得るためには、人と人とのつながりが大事だし、お互いの人間関係に細心の注意をして付きあわないとうまくいかないような気がする。また相手の心を動かすためには自分にも多少の痛みは必要だと思う。相手が喜ぶことを常に考えて行動することも大事だが…。
 戦国の世、秀吉ほど人の心をつかむのがうまかった武将はいないと思う。当時最も有名で売れっ子の軍師であった竹中半兵衛。その半兵衛を織田家の足軽頭秀吉が、なんとしても部下に欲しいと言って通う。武将が通うならまだしも、足軽頭ではなかなか難しい…。半兵衛もたかが足軽と思い断り続けた。しかし秀吉はいくら断られてもまたニコニコと笑顔で通ってくる。半兵衛は半分からかい「そんなに俺が欲しいなら、いくら給料を払えるのか」と聞いた。すると秀吉は「信長様からもらう給料全額をあなたに払う」と言って「あなたを採用することによって自分はこの一年で必ず武将になれる」と豪語した。半兵衛はこの瞬間びっくりして、秀吉の自分に対する感情の大きさに心を動かされ、やがて部下になることを決心した。その後の秀吉は軍師半兵衛とともにトントン拍子で出世街道を走った。
 人は感情で動くことが多い。感情込めて相手の気持ちになって考えることが良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】