戦国新報
 
 
平成17年 前期
【 H17.4.10】
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明るくさわやかに
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 他人から良くしてもらったことは忘れることがあるが、ひどい目にあったことはなかなか忘れることができない。
 本来ならば、良くしてもらったことは忘れないで、ひどい目にあったことほど、すぐに忘れた方がいいと思うのだが…。
 戦国の世、信長ほど過去のことに根を持つタイプの武将はいなかった。過去にひどい仕打ちをされた武将に対しては後で復讐したりした。その点、秀吉は過去のことに対しては根に持たないタイプだった。過去にひどい仕打ちをされた武将に対しても、むしろその有能さを認めて積極的に自分の部下にしようとした。こうした秀吉の明るい根に持たない性格が世間に知れ渡るようになると、戦う前に降伏してきた武将もいた。本人の生まれつき根に持たない明るい性格が、天下を取るきっかけになったような気がする。
 今の世のビジネスマンは信長派か秀吉派か…。秀吉のように決して根に持たず、世間話が豊富で、明るく元気に一所懸命がんばれる人は、必ず良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】