戦国新報
 
 
平成3年 後期
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寿司屋さんはなぜ必ずショウガをつけるのか?
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 五十五人の子を産ませた。徳川家斉の精力の秘密!第十一代将軍家斉には五十五人の子どもがあった。歴代将軍のなかでも郡を抜いている。その多産の秘密は?家斉にはそれほどの偏食もなく、いろいろの食品をバランスよく食べていたといわれています。また、たいへんなショウガ好きでほとんど毎日食べていたといわれています。そのため年中切らさないようにしなければならなかったので、板橋の宿(しゅく)に特別に命じて、ショウガを栽培させたほどである。当時、板橋はショウガで年貢を納めたといいます。ショウガは食欲増進剤でもある。カゼを引いたとき飲むショウガ湯は発汗をうながす。ショウガを愛用していた家斉が、頑健であったことは間違いないと思われます。最近ショウガの殺菌力がクローズアップされている。生の魚には線虫のアニサキスが寄生していることがあるが、これは人の体内に入ると、胃などの壁を食い破り、激しい痙攣性の痛みを引き起こす。すしにはショウガがつきものだが、酢につけても死ななかったアニサキスは、ショウガでイチコロなのである。
【文:高田 金道】