戦国新報
 
 
平成4年 前期
もどる
「うつけ」と呼ばれた信長……
子供の頃から考え方が違っていた
すすむ
 信長がまだ子供の頃、城の庭で小さな蛇をつかまえた。信長は得意になって、お付きの侍にたずねた。
「このふるまいは、勇気であろうか」家来は笑って答えた。「そんな小さな蛇なら、誰にでもつかまえられますよ」すると信長はその家来をにらんで言った。
「小蛇でも、毒があれば人を殺せる。小蛇だと言って笑うお前は、主君がこどもだからといってバカにするのか」家来は返す言葉がなかったという。
 物事万事小さいとか、幼いとか、つまらないとか言って甘く見ない方がいい。「一円を笑うものは、一円に笑われる」と言います。たとえば、仕事を例にとってみても、こまめに小さな仕事をしていれば、おのずと大きな仕事が入ってくるものです。
【文:高田 金道】