戦国新報
 
 
平成5年 後期
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一匹の「ハエ」のおかげで、
伊達家は、救われた
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 豊臣秀吉が小田原の北条氏を攻めた時、秀吉の眼は小田原にはなく、東北の伊達政宗に向けられていた。小田原攻撃に参加しない大名は家をつぶし、所領を全部没収する決意をしていたのである。にらまれた政宗は「徹底抗戦」を考えたが、名参謀の片倉小十郎にどう思うか聞いた。小十郎はすぐには答えなかった。その時一匹のハエが小十郎の回りを飛び回っていた。払っても払ってもすぐに戻ってくる。小十郎は苦笑いをして「ハエはうるそうございますなあ」とつぶやいた。小十郎は「秀吉はハエと同じです。払っても何度でもやってきます」といっているのだった。
 政宗は小十郎がいいたいことがわかり、抗戦をやめて小田原に行くことにした。ハエ一匹のおかげで切腹を免れたのであった。
【文:高田 金道】